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第3回 井谷善恵女史 講演会 2006 4. 16
【オールドノリタケと西洋磁器の比較検討・・・ノリタケの芸術的価値について】
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去年4月17日の私の第一回目の講演からちょうど一年目の4月16日。名古屋のジュールで第3回目のオールドノリタケの講演会が行われた。本来ならばすぐにレポートしなければならぬのに不精がたたって今になってしまった。大変申し訳ない。
井谷女史はオックスフォード大学で日本近代陶磁を研究されており、西洋磁器のとの比較検討する中でその芸術価値を見出そうとされている。勿論、オールドノリタケもその一つである。4月上旬、サンフランシスコの学会へフライトされる直前にも氏にお会いしたが、その多忙さとエネルギッシュな活動ぶりに圧倒される。
講演は幾分アカデミックな内容であるにもかかわらず、大変わかりやすい解説で2時間があっという間に過ぎ去った。

講演内容は、大きく3部に分かれており、はじめに『オールドノリタケ発展の主な3つの理由』を取り上げ、呉須の採取地である瀬戸が我国の陶磁器産業の利便性において優位に立ったこと。そして絵付けなど卓越した技術力に加え、主な顧客であるアメリカ人の嗜好に対する研究が旺盛であったことをその発展理由として挙げられていた。

2つ目に『ヨーロッパ磁器の魅力』と題してオールドノリタケのおけるセーブルの影響やウースターのハイランド キャトル(Highland Cattle),ボールドウィンの白鳥(フライングスワン)などとの絵付けの比較を通し、いかにオールドノリタケが当時のヨーロッパ磁器の影響を受けたかを検証するものであった。

後に『アメリカ市場とオールドノリタケ』としてオールドノリタケに見られるジョニーアップルシードなどのミレーの作品の影響、フィラデルフィア博覧会とアメリカ磁器、アメリカの通信販売に見る磁器の変遷など、大変幅の広い観点からアメリカ市場とオールドノリタケとの関わりについて考察されていた。流石、陶磁器がご専門とあってその造詣の深さは相当なものである。



講演後、女史を囲んで主宰者の横山氏、木村氏、水弘氏、斉藤氏、森口さんら10名近いノリタケファンとともに素晴らしいノリタケ談義に花が咲いた。 このような貴重なひと時を提供していただいた横山氏にこの場を借りてお礼を申し上げたい。

次回第4回講演会はこのサイトでもお馴染みの水弘氏の予定。
飛行機やハンティングなど、一つのテーマに的を絞った氏のコレクションは世界的なものである。次回の講演も実に楽しみである。
http://www.old-noritake.sakura.ne.jp/plaza/topics/index02.html
http://www.old-noritake.sakura.ne.jp/plaza/topics/index05.html


 
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