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アール・デコ 展
 

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アール・デコ のファンにとても申し訳ないことをしてしまった。またとない素晴らしいアール・デコ の展覧会をこのサイトで紹介できずに今日までいたことだ。今年は仕事に忙殺される毎日でこのホームページも殆ど更新できずにファンの皆さんの期待を裏切ることになっている。今さらとも思いながら、やはり紹介させていただくことにした。

本展はイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館が企画し、2003年、同美術館で開催され、今年1月までカナダのトロント、アメリカのサンフランシスコ、ボストンで開催された国際巡回展である。ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館の所蔵品を中心に我国向けにリメイクし、アール・デコの世界観を総合的に捉えた大規模かつ本格的なものである。従来の部分的なアール・デコの展覧会に比べ、多様なジャンルにまたがりアール・デコの集大成ともいえるこのような素晴らしい展覧会は他にないといっても過言ではない。


まず、アール・デコ様式の代表的な作品で概観したのち(第1部)、デザインの着想のルーツとなった古代エジプト、古典主義、中国、日本、中米にからアール・ヌーボーまでの作品との関連性を検証する(第2部)。特に日本の漆の見本や衝立におけるアール・デコ の大きな特色である直線的に構成された形態や紋様、あるいは寧ろ装飾を排した単純な形態やデザインといった面に我国の伝統工芸の影響を垣間見ることができるのは大変興味深い。また、過日あるオークションで私の知人が惜しくも競り負けたフランソワ・ポンポンの『シロクマ』が群馬県立館林美術館蔵として出品されていたのには驚いた。




第3部〜第5部では1925年のパリ装飾博での出品作品などをはじめ、家具、絵画、ポスター、陶器、ガラス、ドレス、装飾品に至るまでアール・デコを主張するものがジャンルを問わず展示されている。特に本展のポスターにもなっている書物の装丁はどれもこれも大変見事である。

主催者も言及しているように、アール・デコに対し包括的なアプローチを試み、それがいかなる現象なのかという厳格なフォーマリストの規定では不十分であるという立場をとっているため、アール・デコの焦点がファジーとなり、一般の人々にとって些かアール・デコが理解しづらいものとなっているかも知れない。
その一つが1925年のパリ装飾博でのフランス大使館のマリー・ローランサンの『婦人の肖像』であろう。他にも数点ローランサンの絵画が展示されていたが、パステルカラーで統一されたローランサンの絵画を原色を基調とするアール・デコの範疇とするには多少の無理があるのではないかと思われる。
寧ろ、個人的にはアール・デコのデザインや要素そして主張を遺憾なく発揮できる陶磁器やガラスなどの逸品の展示がもっとほしかったように思う。また、オールド・ノリタケファンとして、唯一フランク・ロイドの絡みで旧帝国ホテルのディナーセットの一部が出品されていたが、これはオリジナルではなく、1984年のリプロダクションであった。
このような大きなアール・デコ展において、その展示内容を我国向けに再構築し、日本の漆器や衝立のデザインにまでそのルーツの遡及を試みるのであれば、我国の陶磁器において開花した素晴らしいアール・デコの文化を是非とも紹介していただきたかったものである。
本展を概観し、まず感じたことがオールドノリタケ・アール・デコの秀逸性である。その造形、原色を基調とするメタリックな色彩、デザイン、明確な輪郭と整理されたフォルムなど、殆ど全てにおいてアール・デコの原点がそこに凝縮され集約されているのである。
オールドノリタケ・アール・デコは最もアール・デコを主張する、最もアール・デコが理解できる対象であるということである。このような大々的なアール・デコの展覧会が催され、日々一般の人々がアール・デコを日常のものとし理解するようになるとノリタケ・アール・デコへの興味や理解も深まってくるであろう。その意味においてもこの展覧会は大いに意義深いものとなろう。

最後に本展の画像をたくさん紹介したかったのだが、残念ながら館内は撮影禁止となっていました。

2005年 4月16日-6月26日  東京都美術館
2005年 7月10日-9月4日   福岡市美術館
2005年 9月15日-11月6日  サントリーミュージアム(大阪天保山)

企画  ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館
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