オールドノリタケコレクション

華麗なるオールドノリタケの世界

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デビッド氏　訪日日記

デビッド教授、ついに訪日！

NCS　(Noritake collector's Sociely)　を主催するデビット・スペイン教授がつい
に来日した。
デパートのオールドノリタケ展示即売会でのサイン会に出席する目的ではあったが、
彼はこの訪日を実に充実かつ有意義なものとしたようだ。
多分に筆者を中心としたデビッド氏の滞在記となったことは否めないが「ノリタケ外
交」にお役に立てたことを嬉しく思う。

2002年　11月12日に来日し、翌13日にノリタケミュージアムを公式訪問、彼はミュー
ジアムに3年間分のノリタケニュースのバックナンバーと珍しいダブルスタンプのプ
レートを寄贈。長年の夢であるノリタケ訪問に彼は興奮していたためか、全く時差を
感じていない様子だった。

その後、鈴木氏の案内で名古屋城をはじめ名古屋市内を周遊。翌14日～17日まで展示
会が催されたが、14日の初日にすでに彼は多くの日本のノリタケファンと面識を持っ
たようだ。

15日午後から鈴木氏のご好意でデビット氏とともに筆者夫婦もお誘いいただき、安藤
七宝店の工場とショールーム、展示会館を特別に案内していただいた。
ショールームはともかく、普段は工場内は一見は見学できないため，我国の伝統工芸
が脈々と受け継がれてゆく技を自分の目で確かめる好機を得たことは実に幸運だった
ように思う。

クラフトセンターで喫茶の後、閉館後のミュージアムを見学させてもらった。デビッ
ド氏は書籍類を中心にお土産を買い込んでいた。1階でノリタケの映画を見た後、
鈴木夫人が加わり、ご夫妻に人気の少なくなったノリタケの森にたたずむレストラン
へディナーに招待していただいた。

配慮されていたことなのか知る由もないが、広々としたレストランは終始我々5名の
みの貸切。豊富な海外経験をお持ちとは言え、鈴木夫妻の流暢な英語と奥深いノリタ
ケへの造詣はデビット氏の機知とウイットに富んだジョークと相俟って時を忘れさせ
てくれるに十分なものであった。

18日、無事に展示会でのサイン会を終えたデビッド氏は名古屋から一路大阪へ。
新大阪駅から大変近いこともあって自宅へご来駕いただいた。

氏から家族それぞれに貴重なお土産を頂戴したのだが、来日２，３日前に買ったとい
うオールドノリタケのChild Plateを息子に心配りされていたのには絶句である。
実は７月のロス近郊でのＩＮＣＣのコンベンションの際にも息子に同じような心配り
をいただいている。

一方当方からは、家内が作ったノリタケ・アールデコのデザインをあしらったトール
ペイントのウエルカムボードを氏にプレゼント。
昨春、家族３人で一週間もシアトルの彼のご自宅にホームステイさせてもらった
お礼もあり、できるだけの歓待をしたかったのだが狭い我家での歓談もそこそこに
午後からオールドノリタケ専門店、アンティークＫＩＭＵＲＡへ。

昼食の後、ノリタケ研究の第一線を走る日米のお二人が双方の著書を小脇に抱え
記念撮影。木村氏のノリタケに関する珍しい資料に時間を忘れ予定の時刻をオーバー
し大阪城の天守閣を断念。
夕食は懐石で有名な料亭で和食の醍醐味を存分に味わい，その夜はニューオータニに
宿泊していただいた。

翌１９日は氏の希望で京都へ車で直行。京都では一泊二日の予定でご一緒した。
世界遺産が目白押しの京都ではいかに、効率的にかつ無理なく案内さしあげるかが
小生に課せられたテーマであった。
まず、東寺、二条城と道草を食ってから虎の児渡しで有名な竜安寺、そして金閣寺を
周遊。

ベストシーズンのためか、想像を絶する混み具合はまるで銀座や心斎橋並みの賑わい
であった。
次に氏の希望で骨董の街、新門前へ。氏のアンティークを観る眼は神社、仏閣を見る
目と違って一際輝いてみえた。帰り際、氏は高価な素晴らしい竹細工のバスケットを
痛く気に入りお土産に購入。

お店を出ると、辺りはもうすっかり暗くなっていたため、二年坂、産寧坂まで直行し
一気に駆け上る。
勿論、ライトアップされた国宝、清水の舞台を見るためである。ロープを張って入場
制限するほどの人の波には二人して絶句。大きな波に逆らうことなく宿泊先の嵐山、
嵐亭へ。

翌２０日は嵐山界隈、天竜寺をはじめ、落柿舎、嵯峨野を周遊。
幸運にも１０年に一度と言う見事な紅葉に恵まれ、日本中のカメラマンがみんな集
まってきたのではないかと思われるほどの賑わいであった。

日本の美を代表するに相応しいその自然の織りなす見事な演出は氏の脳裏に鮮明に
焼きついたに違いない。石畳に落ちた一葉の深紅の楓の美しさに溜息を漏らす氏の仕
草に豊かで繊細な感受性が伝わってくる。ノリタケ以上に写真を撮ったためスライド
フィルムを途中で切らし市内を必至で探し回った。

時間一杯まで紅葉を堪能した後、京都駅へ。ここからは東京駅で出迎えるコレクター
仲間の家高氏にバトンタッチ。

東京ではこのＨＰでもお世話になっている家高氏や水広氏、そして日本人で最初に
ＮＣＳのメンバーになった中島さんらの待っている原宿表参道のレストラン、ベルー
ガへ。
もうそろそろ和食に飽きがきているのではとの配慮でワインバーでのキャビアパー
ティーで氏を歓迎する。氏は何度も中島さんと抱き合い彼女との数年ぶりの再会を
大変喜んでいたそうだ。

２１日。家高氏の案内で東京都内を周遊。
秋葉原、交通博物館、皇居、新宿新都心、表参道アンティークモール、東京都庭園美
術館、アンティークショップ　ロムドシンと寸暇を惜しんで精力的に案内していただ
いたが、中でも氏はアールデコで有名な東京都立庭園美術館に強い興味と関心を持ち
帰国後小生にもこの件について長いメールをいただいた。正にビンゴだったに違いない。

翌、２２日。デビッド氏は無事に帰国の途についたのだが、実はこの日、彼に二人目
のお孫さんオリバー君が誕生！！後日、可愛いお孫さんの写真集をメールでいただい
た。