Introduction



■ はじめに

かつての印象派の巨匠たちの絵画がそうであったように、また、かつての李朝の陶器がそうであったように、後世においてその作品の評価が異常ともいえるくらい高まるケースは絵画美術や骨董の世界では常とするところかも知れない。

例にもれず、このオールドノリタケもその1つであろう。
美術史上に忽然と『出現』したノリタケ・アールデコを美術評論家の海野氏は『再発見』という言葉で見事に表現しているが、この忘れられていたノリタケ・アールデコが日米の美術史やデザイン史に新たなページを飾ることによって大きな評価が与えられることは必至であり時間の問題であろう。

一方、陶磁器を収集対象とする美術館などでは、最近日本の近代陶芸への見直しが図られ、緊迫した財政上の問題を抱えつつも、方向性としてその収集の動きが見られるようになった。世の中の全てがデフレ傾向にある中、オールドノリタケだけが著しいインフレである所以がこの2点にあるように思える。

このような近年のノリタケブームに乗じて、全国のデパート等で展示会や展覧会などが開かれるようになったが販売目的や販促の延長上にあるものが多く、残念ながら本来のオールドノリタケの魅力や全容を紹介する企画に巡り会うことはほとんどない。

本サイトでは、そういった展示会や従来のサイトではなし得なかったオールドノリタケの全貌を解明し展観することによって、少しでも多くの皆さんに正しい理解と知識を深めていただくことにある。




■ 本サイトについて

本サイトの大きな目的の1つに、不特定多数のコレクターの皆さんの賛同と協力の下に、ご自慢のアイテムを出展していただき、ネット上でオールドノリタケの今までにない展示会を開くことにあります。一人でも多くのコレクターの参加によって、より魅力あるグローバルなネット上のギャラリーにしたいと考えています。 
 
まず本サイトでは作品をアールデコとアールヌーボー(ニッポン)の2つの作品群に大別し、一般に最も馴染みのあるC&Sをこの両者の区別にとらわれず独立させた。そして、オールドノリタケとその周辺と題して、コラーレン、漂池園、春光などにもスポットをあててみた。
また、Collecter's Plazaでは、書籍類のほかにコレクター同士の交換等目的とした『BBS』を設けた。コレクターの皆さんの参加を大いに歓迎し、随時新しい作品を掲載してゆきたいと思う。 お楽しみに!




コレクションについて

コレクションが万人共有の趣味として一般に認識され、価値観も多様化する現代で は、あらゆるものがその収集の対象となる。個人の単なる趣味を超えて誰にでも納得 してもらえるコレクションはその対象が何であれ、素晴らしいものである。

しかしながら、収集が普遍性を持つために満たさなければならない必須の要件がある。 たとえば、豊富なバリエーションがあること。集めても集めても初めて見るものが出てく るような対象が望ましい。それ以外にたとえば、

(1)鑑賞、展示に耐えること。
(2)換金性があり、売り買いできる市場が国内外に確立されていること。
(3)生産の時期と量がある程度限定されていること。

などが挙げられるであろう。 

以上の要件を満たしている対象がコレクションのアイテムとして優れたものである が、オールドノリタケは割れ物であるという唯一の欠点を除けば、見事にこれらの要 件を備えている。

世の中の趨勢がデジタル化の方向へ進むにつれ、その対極をなすハンドメイドの作品 に自然と価値が高まるのも当然のことといえよう。




分類方法について

途方もなく多種多様なオールドノリタケの作品群をうまく分類することは容易ではな い。しかも1つのアイテムが実に多様な技法や手法を施されているため、それを一層 困難なものにしている。

本ページでは、アールデコのチャプターでは主に用途・形状別、アールヌーボーの チャプターでは技法別と用途・形状別の併用を試みた。

一般にアールヌーボー様式のものと、1920年代から30年代にかけて生産された アールデコ様式のものに大別されるのが普通であるが、ディナーウェアに対してファ ンシーウェア、輸出向けに対して国内向け製品といった大別の方法もある。

しかしな がらコレクションの対象となるのは、現実には大半がファンシーウェアであり輸出向 けの所似、里帰り品である。国内向け製品は博覧会出展品などごく一部の例外的なも のを除けば装飾的にも技術的にも残念ながらレベルが低く、彩色にも乏しいものが多 い。当時外貨を獲得するために優れた製品を海外に回したことからも容易に理解でき る。従って本ページでは国内向け製品は一部を除き割愛することにした。

まず、右のプレートをご覧頂きたい。

このプレートは技法的に分類すれば転写技術を用いた「ポートレート」そして  「金盛り(Gold Impaste)」「コバルト」のいずれかに分類され、用途・形状別 では「プレート」として4つのカテゴリーに分けられる。(他にルイーズやレカミ エ等の肖像画の人物名で分類する方法もあるが・・)

本ページではこのプレートは、ポートレートとコバルト、プレートの3つのセクションに分類し ており、アイテムによってはこのように重複して掲載しているものもあるのでご了解 いただきたい。